任意積立金
概要
任意積立金とは
任意積立金とは、利益準備金を除いた利益のうち、株主総会の決議で、特定の目的を持ってあるいは目的を特定しないまま積み立てるものをいいます。
つまり、特定の目的を持っている「配当積立金」「役員退職積立金」などと、特に目的をもたずに積み立てる「別途積立金」を総称して「任意積立金」といいます。貸借対照表にも「任意積立金」という勘定科目は存在せず、「配当積立金」「役員退職積立金」「別途積立金」などが存在します。
勘定分類
「任意積立金」は貸借勘定科目であり、「純資産」に分類されます。
消費税区分
「任意積立金」は消費税の対象外です。
計上時期
任意積立金を積み立てたときに計上されます。
相手勘定
相手勘定は主にいかのようなものがあります。
- 繰越利益剰余金
繰越利益剰余金から任意積立金を積み立てたとき、または任意積立金を取り崩して繰越利益剰余金に組み入れたとき。
仕訳例
(1)1株主総会において剰余金の中から任意積立金200万円を積み立てることに決定した。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
繰越利益剰余金 | 200万円 | 任意積立金 | 200万円 |
(2)赤字を補填するため、任意積立金300万円を取り崩した。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
任意積立金 | 300万円 | 繰越利益剰余金 | 300万円 |
類似勘定
利益準備金
任意積立金が任意準備金であることに対して、利益準備金は利益剰余金のうち、会社法によって積み立てることが義務付けられている法定準備金です。